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房一は大きくうなづいて見せた。もう獲物は大分前からとまつていた。
「君達は一体何者だ!」
道平はゆつくりと首を動かして訊いた。
孫息子に手つだはれて、そろそろと縁側に腰を下すと、道平は何か云ひたげに盛子の顔を見まもつた。そして思ふことがうまく口に出ないときにやる、一心な、どこか苛々いらいらした目つきになりながら、殆ど癇癪を起しさうになりながら、やつと云つた。
「フム」
「あら!いらつしやいませ。ようこそ。――ほんとうに、よくまあ!」
「おい、お茶を入れてくれ」
と、大声で云ひ聞かせた。
「うん、もうさつき帰つたよ」
と、房一は帽子を手にやつた。
「よからう」
房一は苦笑した。
が、自分の家の前あたりまで来たとき、かなり先きの通りに四つ五つの人影が黒くかたまつて立つているのを見た。何をしているのか判らない。房一はそのまゝ家の中に入つた。